用語集の運用

浅海 智晴 Created: 2025-09-01

SimpleModeling.orgでは、BoK (Body of Knowledge)(Body of Knowledge)を構築・活用する一環として、用語集(Glossary)の運用を自動化しています。

この仕組みにより、記事の執筆者は意識的にリンクを設定することなく、記事内で使われた用語をBoK上の定義に自動的に結びつけることができます。

この機能を今回公開しました。

機能

今後、公開予定の機能も含めて本サイトの用語機能を紹介します。

記事内の用語への展開

記事中の所出用語に対して、以下の機能が自動的に適用されます。

  • 用語集へのリンクの挿入

  • title属性によるツールチップ情報の付与

  • 用語直後への括弧付き補足情報の挿入 (予定)

  • 記事末尾への用語リストと定義の自動展開 (予定)

用語ページからの記事リンク

各用語のページでは、該当用語を使用しているすべての記事へのリンクが表示されます。(予定)

表示スタイル

本文中の用語リンクは、以下のようなスタイルを採用しています。

  • 平常時は黒字・太字で、本文に溶け込む控えめな見た目

  • マウスホバー時に赤字・ポインター変化でリンクであることを視覚的に提示

これにより、全用語にリンクが付与されていても視覚的な煩雑さを避けつつ、ナビゲーション性を確保しています。

履歴

サイトのトップ・ページや各カテゴリのトップページには新着記事のバナーが表示されるようになっています。

このバナーに用語の追加を表示するのはちょっと過剰な感じなので、用語の追加や記事の更新などの情報を履歴として表示するページを作りました。

モデルとしての用語集

技術文書において、用語の定義は非常に重要です。

専門分野や読者の知識背景によって用語の意味が変わることが多く、誤解を防ぐためにも、可能な限り用語の意味を明示すべきです。

しかし、毎回手動で定義するのは煩雑で、日常的な技術資料では現実的ではありません。

SmartDoxによる支援

SimpleModelingでは、文芸モデル (literate model)を支えるメタ言語としてSmartDoxを採用しています。

SmartDoxでは用語の自動リンク・補足・一覧出力などの機能が標準でサポートされており、日々の執筆においても負担をかけずにBoKと接続されたドキュメント作成が可能です。

文芸モデリングと用語集

ソフトウェア開発における用語集は、単なる補足情報ではなく、モデル要素そのものです。

SimpleModelingのモデリング・アーキテクチャでは、用語集は概念モデルの一部として位置づけられ、ドメイン・モデルや非エンジニアとの橋渡しを担う中核的要素となっています。

文芸モデリングにおいても、SmartDoxによる用語集機能を活用し、モデルとナラティブの一体化を図ります。

参照

外部参照

用語集

BoK (Body of Knowledge)

SimpleModelingでは文脈共有の核となる知識体系をBoK (Body of Knowledge)と呼んでいます。 BoKの構築は、知識の共有、教育、AIによる支援、自動化、意思決定支援を可能にするための基盤です。

CBD (Component-Based Development)

CBD(コンポーネント指向開発)は、ソフトウェアを責務・契約・インターフェースを明確に定義したコンポーネント単位で構築・再利用する開発方式です。 コンポーネントは独立性と交換可能性を備え、システムを疎結合に構成することで保守性と再利用性を高めます。 論理モデルでは機能や契約を定義する抽象構造単位として、物理モデルでは実際の実装・デプロイメント単位として扱われます。

文芸モデル (literate model)

文芸モデル(Literate Model)は、モデル構造と自然言語による語り(構造化文書)を統合した「読めるモデル」です。 文芸的プログラミング(Literate Programming)の思想をモデリング領域に拡張し、 構造(モデル)+語り(構造化文書) を一体化することで、人間とAIの双方が理解・操作できる知識表現を実現します。 「Literate Modeling(文芸的モデリング)」という発想自体は、 これまでにも一部の研究者や開発者によって試みられてきました。 しかし、それらは主にドキュメント生成やコード理解の支援にとどまっており、 モデルと言語・語り・AI支援を統合した体系的なモデリング手法として確立されたものではありません。 文芸モデル(Literate Model)は、SimpleModelingがAI時代に向けて新たに体系化・提唱したモデリング概念です。 文芸的モデリングの思想を継承しつつ、 AI協調型の知識循環とモデル生成を可能にする知的モデリング基盤として再構成されています。 文芸モデルは、単なるモデル記述技法ではなく、 人間の思考過程や設計意図を語りとしてモデルに埋め込み、 AIがそれを解析・再構成して設計や生成を支援するための枠組みです。