境界モデル

浅海 智晴

用語

境界モデル

用語(英)

Boundary Model

別名

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定義

境界モデルとは、異なるプロセスやレイヤ(知識モデリング・プロセス・スタイル・実行アーキテクチャなど)の間で情報や成果物を受け渡す論理的接続構造を定義するモデルです。開発メソッドの内外を橋渡しし、入力・出力・依存関係を明示化します。

SimpleModeling

SimpleModelingにおいては、境界モデル開発メソッドの周辺構造を形成する重要な要素であり、 知識モデリングの成果を入力として取り込み、開発メソッドの実行結果をプロセス・スタイルおよび実行アーキテクチャに出力します。 これにより、モデル駆動・知識駆動・AI支援の三層を統合的に接続する枠組みが成立します。

構造

  • 知識モデリングからの入力境界モデル

  • プロセス・スタイルに対する出力境界モデル

  • 実行アーキテクチャに対する出力境界モデル

境界オブジェクトとの関係

境界モデルは複数の境界オブジェクト(Boundary Object)によって構成されます。 境界オブジェクトが個別のデータ構造や成果物の単位であるのに対し、境界モデルはそれらを体系的にまとめた構造的スキーマを表します。 また、開発メソッドの入力・出力を定義する際には、これらの境界オブジェクトが実際のインターフェース項目を構成します。

参照関連

Related Concept Classification Description

境界オブジェクト

一般理論(Star & Griesemer, 1989)+ SimpleModeling拡張

異なる領域間の共有・協働を媒介する個別の成果物。SimpleModelingでは「プロセス間接続の最小単位」として再定義。

バウンダリ・クラス

UML / OOAD 用語

外部アクターと内部システムを接続するクラス。構造的には類似するが、モデル全体の論理接続を扱う点で境界モデルとは異なる。

システム境界

システム理論・情報システム工学

システムの内外を区分する概念。SimpleModelingではこの「境界」の考えを発展させ、モデル間連携構造へと拡張。

Remarks

この概念は、Star & Griesemerによる「境界オブジェクト」理論に着想を得ており、SimpleModelingではそれをプロセス間連携の設計構造として再構築しています。 そのため、従来のUMLやシステム理論の範疇を超えて、開発メソッド・知識モデリング・アーキテクチャを統合するメタ開発構造の一部をなします。